選挙ポスターと当落の行方?
2021 年10 月31日投票の衆議院議員選挙ポスターのデザインと当落の関係を調査しました。東京都の選挙区をランダムに選び(2、8、11、13、15、17 区)ポスターを事前評価しました。10 月29 日の投票前に公開したレポートでも触れたようにA 評価のポスターはなく、上段からB、C、D評価となっています。
B評価は6枚中4人=67%が当選。B1とB2 は同選挙区だったため、5区中4名と考えると80%、評価Cでは0 人、評価Dでは1 人当選しました。
現在東京都の激戦区にスポットを当てて評価分析中、近日中に解説をアップします。
今回の分析で使用した好感度判定基準表
判定結果から見えてくる、票を集めるポスター
選挙ポスター好感度判定表で採点すると、健康診断の検査表で健康状態をチェックするように感性の有効性をチェックすることができます。選挙ポスターの表現に必要な20のデザイン項目それぞれをスケールを使って◎○△×に判定します。20項目全てが◎または○ならば評価Aと判定します。これらのスケールは視覚言語注1に基づいて作られており、感性を測るスケールで、つまり感性を読み取る道具です。
例えば上の選挙ポスター好感度判定表にある「3 氏名文字のジャンプ率」を見てみましょう。実際のポスターとスケールと突き合わせると「4」と測定されます。少し小さめなので上品な穏やかさが表れています。次にジャンプ率を変えてみます。「2」にすると、より上品になり、「7」、「9」にすると力強く元気なイメージに変わります。
私たちの感性は、群れのリーダーである政治家は力強く頼りになることを求めています。そこでジャンプ率を高くして力強さを表現すると共感が大きくなり1票を投じたくなります。
このポスターは20項目のうち2項目が◎、15項目が○、2項目が△(14はのぞく)でB判定です。氏名文字のジャンプ率を7にすると◎、さらに背景を明色ですっきりさせると◎のA判定となり、デザインの効果が最大に発揮されることになります。
注1:視覚言語ーーデザインを通して感性を翻訳する仕組み。約60種のスケールがあり、各は感性の仕組みに合わせて作られている。今回の判定表は選挙ポスターのデザインという目的に合わせて20項目に絞っている
【会社概要】
会社名:株式会社 視覚デザイン研究所
所在地:東京都千代田区神田神保町1-22-4F
代表者:内田 広由紀
設立:1976年1月
事業内容:○ 視覚伝達デザインの研究 ○ 美術・デザイン書・絵本の出版
【本レポートに関する報道お問い合わせ先】
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視覚デザイン研究所・デザインラボ実験室 URL:https://www.shikaku-d.com/designlab
担当:内田・青柳
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