デザインはセンスの問題でしょうか。そうかたづける前にまず理論的な方法論を知りましょう。形、バランス、大小差、配色、色量、どれにも無視できない法則があるのです。センスを生かすのはその後です。
デザイン実験室がおすすめする、デザインの基本がわかる本をご紹介。
感性と会話するデザイン
デザインとはなんだろう
世の中には物が溢れています、つまり私たちはデザインに囲まれているのです。デザインされた物は時に私たちを楽しい気分にします。また、ある時は不快に思ったり、自分とは関係のない物だと思ったりします。
デザインとはなんだろう。もう少しはっきりいうとデザインには必ず目的があるので、そのための表現とはなんだろう、と考えた時に明瞭に答えてくれるのが本書です。
良いデザインは好感されるデザイン
「これは良いデザインだ」と感じた時、形もいいし、色もいいし、パッケージもグッとくるし、など色々な要素が絡み合っているように見えます。使う目的や使う対象によっても全く違うデザインが選ばれます。
一見複雑ですが良いデザインの条件はどんな場合も以下の3つで考えられます。
1共感されること
2安心感があること
3美感を満たしていること
そしてこの3条件が揃うと好感されるデザインがつくれるという単純な仕組みです。
視覚スケールで感性をデザインに翻訳する
第1部・実証デザインの効果では実際に市販されている商品を視覚スケールで測定します。
好感度最高ランクと測定されたものは実際に売り上げを伸ばし、選挙ポスターの場合は90%以上が当選しているという結果です。
(この本の発行時点では視覚スケールを視覚言語と呼んでいますが、全く同じ考えでつくられています)
視覚スケールは色や形などの造形要素を測るものさしで、デザインを組み立てる時の有効なツールです。
視覚スケールを知ることはデザインの基礎を体系立てて学ぶことになり、視覚スケールを使いこなすことが好感デザインへの近道になると思います。
本書では17のデザインケースワークを解説しながら、感性をデザインに翻訳していく技術を学んでいきます。
本書が的確な好感デザインづくりのツールになれば幸いです。
この本で紹介する内容
はじめに
実証1 デザインの効果
実証2 誰でも好感Aデザインをつくれる
実証3 誰でも合否を判定できる
第1部 実証 デザインの効果
1 サントリー天然水 2 キリン のどごし〈生〉 3 キユーピーマヨネーズ 4 ニチレイ本格炒め炒飯
5 ホンダN-BOX 6 歯科医院のHP 7 女子校の校舎 8 ショッピングモール
9 フードメニュー 10 世界の国旗 11 オリンピックのシンボルマーク 12 キャラクター
13 マーク・ロゴタイプ 14 最強のビジネス名刺 15 好感ポートレート 16 実験1 初心者が花屋さんのHPをつくる
17 実験2 初心者が選挙ポスターをデザインする
第2部 解説 デザインの構造
1 脳の仕組み 2 デザインの構造 3 感性の構造 4 マーケティングとデザイン
7日間で配色の基礎テクニックを手に入れよう
「配色って難しい」と思っていても「これは美しい色だなぁ」と感じたことは誰にでもあるはずです。こんな経験のある人ならば、美しい配色はつくれます。実はセンスが眠っているだけ。
この本に導かれて、7日間で自分の中のセンスを呼び覚ましましょう。
第1日目はオリエンテーション
美しいと感じること自体とても大切ですが、もう少し踏み込んで周りの色を見てください。
印象に残る配色にはある共通点があるんです。何気なく見ていても気づかなかったこれらの共通点とは、配色のパターンやルールです。それを無意識に読み取って「美しい」と感じていたのです。美しい配色を作れる種は自分の中にあるんです。
第1日目は、美しい配色をつくる伝統的なルールを要約して解説しています。
この本全体でどんなことが待っているのかな、というオリエンテーションです。
第2日目は配色に必要なツールと使い方
色の基礎知識の中でも配色する時に絶対覚えておいたほうがいいことだけに絞って解説しています。
とはいえ、これを理解することがどんな色の知識よりも大切です。
もうひとつは「5役色」「主役色」「脇役色(引き立て色)」「支配色(背景色)」「融合色(なじませ色)」「アクセント色」です。小説や映画に主役や脇役があるように配色にも役割があります。
そのシーンで役割を果たすためには、そのほかの小道具や背景などの協力が絶対必要です。
第3〜5日目で配色の実践をレクチャー
2日目で学習したツールを使って様々な配色をつくっていきます。
どの配色にも必ず良い例とうまくいっていない例を比較しているので、その日の課題がひと目で理解できるはずです。
各日の課題のラストページは復習問題が付いていて、きちんと理解できたかをチェックします。
第6、7日目はステップアップへの道
ここまでやってきて配色に自信が持てたと思います。
しかしどんなに美しい配色であっても表現したいテーマのイメージと合っていなければ見る人に伝わらないのです。
ある「モノ」をどう伝えたいのか、というイメージづくりは配色する時の最初に考えることです。
イメージは個人のもので千差万別ですが、実は共通項も多くあります。
最終日は、イメージとキーワードと配色を結びつけた「イメージマップ」で、自分が目指す配色の方向とイメージが合っているかを確認します。
実践的で至れり尽くせりな配色基礎講座。配色は苦手と思っていた人も、7日間でぜひあなたの中に眠っている配色の種を開花させてください。
この本で紹介する内容
第1部 配色の準備
1日目 配色する前に
2日目 配色のツール<三属性・五役色>
第2部 配色の実践
3日目 引き立てる型1
4日目 引き立てる型2
5日目 なじませる型
6日目 イメージづくり
7日目 イメージマップ
カッコいいレイアウトを目指すなかれ
デザイナーの初仕事、レイアウトを任されたらどうやってつくったらいいでしょう。
クールなレイアウトのサンプル集や作品集を見て自分もこんなのをつくりたい、真似したいと思います。
レイアウトデザインはカッコいいクールな物が良いデザインでしょうか。デザイナーはその前に考えることがあります。
大切なのはレイアウト発信側と受けてのイメージを一致させることです。
届けたい情報を届けたい相手に正確に自然に送り込む、しかも無意識に反応してくれたなら、レイアウトは成功です。
これが共感されるレイアウトです。本書はカッコいいレイアウト集ではありません。
レイアウトの本質を論理的に理解する教科書です。
自分で組み立てられてナンボです。
デザイン教育を受けて造形感覚を磨いてきた人は特に美しい物、カッコいいものに敏感です。
しかしそれらの表現を真似てもいいレイアウトはできません。
受け手の共感ゾーンにいないからです。共感されなければ売り上げを伸ばすこともできません。
共感を得るには受け手の求めるイメージを正確に表現することです。
本書ではレイアウトの骨格づくり、エレメントの使い方を実例を見ながら組み立てていきます。
ここまで学んでくると、カッコいいレイアウトの意味も理由も理解でき、真似ではなく自分で組み立てられるようになります。
レイアウトの専門用語がそのままマニュアル
まずレイアウトをする前に「レイアウト様式」を狙うイメージに合わせて選びます。
この様式を誤るとイメージは伝わらず、情報は届きません。
「視覚度」訴求力を画像のインパクトの強さで表すこと。写真やイラストの表現で同じ大きさでも訴求力は違います。
「図文率」画像と文章の占める割合。高ければよりカジュアルに、低ければ堅苦しくなります。
「文字のジャンプ率」本文を基準に、もっとも大きなタイトルや見出しとの大小比。
「写真のジャンプ率」同じように大小比。ジャンプ率が高いほど活気が出る。低いほど上品なイメージ。写真の場合はここにトリミングのルールを絡めて考える。
「グリッド」レイアウトの様式と関係している文字の段組の拘束が高い組か、低い自由な組か。高いほど誠実さを表し、低いほど優しく自由、楽しさが表せる。
「版面率」誌面に対する文字や画像の割合。余白量。版面率が高ければ余白は少なく版面率が低ければ余白は多く上品なイメージになる。
本書はひたすら目標を共感に絞って読者が迷わないように系統立ててレイアウトの作法をマニュアル化しました。
これらの専門用語を使いこなすことでレイアウトを自在に操れるようになります。
この本で紹介する内容
第1部 様式を選ぶ
1日目 様式効果とは・視覚度・図版率
2日目 文字のジャンプ率・写真のジャンプ率
3日目 グリッド拘束率・版面率
4日目 構成の3原型・書体のイメージ
第2部 形を整える
5日目 主役を明示する・準主役は離す
6日目 群化・あいまいは不安・流れを整理する・余白は主役の領地・四隅をおさえる・版面線を利用する
7日目 リズム・対比・アクセント・比例・バランス・融合
知識ゼロから始める配色練習帳
配色のことをきちんと学んでみたい。そう思って基礎知識を詰め込んでみても色のことはさっぱりわかりません。
難しい色彩の基礎知識と奮闘しているうちに肝心の色への情熱も興味も薄れてしまっては元の木阿弥です。
そんな方にぜひ手に取っていただきたいのがこの本です。この本は「そもそも」抜きで、配色する上で一番重要なポイントから入っていきます。
感覚とリンクして理論を学ぶ画期的トレーニング
色を理解し、色を使いこなすためには、色の持つメッセージを把握するのが第一です。
この本では2つの配色サンプルを見比べてQ.出題テーマにあった方を選ぶという進め方です。
それは、感覚的に選んでいるようですが、実は根拠があって選ばれています。選ばれた理由のA.解説が配色の理論の中心です。
色を2択でテストして感覚を磨き、並行して配色の理論を覚えるので明確に立体的に配色が理解できます。
色の基礎知識はその時々の必要に合わせて説明していきます。
配色サンプルブックとしても有効
160以上の配色サンプルにはどれも出題テーマがついています。
例えば…
Q.純真無垢な子猫ちゃんはどっち?
Q.気取らない日常の気分になるのはどっち?
Q.まじめで役立つイメージにしたい
などなど。
これらの出題テーマを表現した配色サンプルを自分が表現したいと思うテーマに応用すれば必ず良い配色ができるはずです。
良い配色が身につき、かつ知識や用語を覚えられる配色トレーニングを是非活用してください。
この本で紹介する内容
感性に正直になれば正解が見える
どっちのメリーゴーランドが好き?
仲良しふたり組はどっち?
北斎の世界的傑作、本物はどっち?
トーン 8つのトーンメッセージ
純色・明色・淡色・淡濁色・濁色・暗色・白・黒のメッセージ
色相 6つの色相メッセージ
赤・黄・緑・青・紫・紅のメッセージ
色相型 6つの色相型
類似型・微全相型・全相型・三相型・対決型・微対決型のメッセージ
基本はかんたんレイアウト
良いレイアウトをつくるセオリーとは
良いレイアウトの条件は知名度や高クオリティのデザインではありません。
いかに受け手に気持ちよく正確に情報が伝わるかどうかです。これが共感されるレイアウトなのです。
共感は受け手の思い描いているイメージと一致した時に生まれ、共感されないレイアウトではなんの情報も届きません。
本書では共感されるレイアウトを目指して3つのテイストに集約して解説していきます。
UCSで共感ゾーンを目指す
Uとはユースフルテイスト。新聞に代表される情報満載のレイアウトです
Cはカジュアルテイスト。楽しさ親しみやすさを全面に出した、見る人をワクワクさせる表現です。
Sはスピリチュアルテイスト。趣味性や精神性重視で実用とは正反対の表現です。
表現の幅が広いので捉えにくいかもしれませんがしっかりとルールがあります。
テイストはシンプルに3つですが、これを組み合わせて様々な複雑なテイストも表現できます。
まず記事内容や対象からテイストを設定して全体の方向性を決めます。
レイアウトというと文章や写真などに注目しがちですが、方向性の正しい選択がこれからの全ての作業の座標になるので重要です。
5つのエレメントでテイストを確実に表現
実際のレイアウト要素を5つのエレメントに集約しました。
1レイアウト様式:グリッドを強くするのか、シンメトリーにするのかなどレイアウトの骨組みになります
2情報量:文字と画像を多用して解説風にするか、少ない情報で余白を多く取るかなど
3静動性:画像の扱い方のひとつで角版か切り抜き版か、さらにぼかしたり斜めに配置したりなど
4図文率:画像と文字の量の割合
5ジャンプ率:文字の中でも本文に対してタイトル文字をどのくらい大きくするかなど
それぞれのエレメントは使い方次第でふさわしいテイストを表現できます。
逆にいうと全く同じ写真や文字などのパーツを使っても全く違うテイストを表現できるというわけです。
学んで分析してレイアウト実践へ
本書ではまず3テイストと5エレメンツの型を徹底的に学びます。
次に実際の雑誌やポスターなどを分析して3テイストと5エレメンツがどう生かされているかを確認します。
そして最後に旅行、住宅、日用品、化粧品などカテゴリー別に×作品から合格作品への修正を通して制作体験をします。
この本で紹介する内容
よいレイアウトとは・・・
Part1 学習編 3tasteと5elementsでレイアウトを学ぶ
Part2 分析編 レイアウトを分析する
Part3 実践編 よいレイアウトを目指す