様式の8要素
1
視覚度
しかくど
視覚度を上げたら親しみやすくなった
文字に対して、絵的な要素(イラストや写真など)がおこす視覚的な強さのことを「視覚度」という。見た目の強さや影響力が強いほど、視覚度が高いことになる。明快なイラストは最も強い印象を与え、視覚度が高い。一方、写真の視覚度はイラストに比べると一般的に低めで、特に雲や海などの風景写真はかなり低い。
イラストをひとつ加えるだけで、親しみやすさがまったく違う
A(改作)
B
この図は、大学サークルでのメンバー募集のチラシ。イラスト入りの図が本物。この2点を比べると、視覚要素がいかに決定的効果を持っているかがひと目でわかる。このようなカジュアルな内容の場合、「視覚要素」が大いに効果を上げる
ユニークな描き文字で表現しているが、絵が加わるとさらに、生き生きと動き出す。
(改作)
折り込み広告に欠かせない視覚要素
文字だけでは
新聞に入っていた折り込み広告をアレンジしてみた。
文字だけではさびしい。このままでは積極的に読む気はしない(改作)
イラストを加えると
求人のポイントになる「給与」と「託児施設完備」を大きい文字にし、イラストを加えた。これでこの募集チラシを読む人の気持ちに近づき、アピール度が高まった(改作)
文字や絵の重心を紙面の中心に配置する、「センターぞろえ」の組み方にした。上図に比べるとかなり上品な感じになる
イラストは、面積は小さくても、十分な効果がある。
イラストの形に沿って文字組みを配置すると、このクラブが「自由」を大切にしていることまでも伝わってくる。
(改作)
様式の8要素
1
モチーフの訴求度
モチーフのそきゅうど
Q どの写真が印象に残るか
下の写真を20秒間だけ見てから、次の問いに答えて下さい。
Q 下の写真の中に上で見た写真が11点あります。どれでしょうか。
こたえ
あなたが選んだ答えを下の表でチェックしてみよう。どう分布しているだろうか。通常はAグループに最も正解が多い。特に子供の笑顔にはほとんどの人が強い印象を持つはず。 B・Cグループの正解は個人の志向を反映している。
正解の枠にアルファベットが記入されている
見る人の興味を反映する
同じ面積の写真であっても、何が写っているかによってまったく違う印象になる。そこには見る人の興味や志向が反映され、コミュニケーションが成立したり、途絶えたりする。広告づくりでキャンペーンキャラクター選びに膨大なエネルギーを費やすのは、このため。
訴求度の強弱——人と顔に注目する
一方、本来は興味深いモチーフであっても、見えにくい角度や込み入った構図で示されると、訴求度は途端に下がってしまう。つまりレイアウト上では主役としてアピールしたい商品は、はっきり、すっきり見せることが大切。他の物と重なり合うことや、不要な影などは取り除く。