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様式の8要素

3

ジャンプ率

ジャンプりつ

ジャンプ率

ジャンプ率とは、大小差のこと。例えば新聞の紙面を思い返してみよう。記事として読む文字を本文(ほんもん)といい、紙面は本文を中心に組まれている。本文の他に様々な役割の文字があり(下図)、最も大きな文字が大見出しだ。本文の大きさを基準にして、最も大きな見出し文字との大きさの比を文字のジャンプ率と呼ぶ。

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紙面に現れる文字の用途は10種前後あり、目的によって伝統的にそれぞれの大きさや書体が決まっている。

文字のジャンプ率

本文(ほんもん)を基準にして、最も大きなタイトルとの字幅または字高で計算した大小比を、文字のジャンプ率という。ちなみにサンプル右図のジャンプ率は約2000%にあたり、極めて高い。

紙面に現れる文字の用途は10種前後あり、目的によって伝統的にそれぞれの大きさや書体が決まっている。

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低いジャンプ率

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静かで落ち着いている

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高いジャンプ率

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活気がある [主婦の友]

写真のジャンプ率

誌面の中で一番小さな写真と最も大きな写真との比率を写真のジャンプ率という。写真のジャンプ率を高めると歯切れがよくなる。逆にジャンプ率を低くして、すべての写真や絵を同じ大きさにすると、穏やかな印象になる。

高いジャンプ率

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低いジャンプ率

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[雑貨の本](改作)

様式の8要素

3

文字のジャンプ率

もじのジャンプりつ

大小差を少なくすると穏やかに

文字のジャンプ率は本文(ほんもん)を基準にするが、写真は文字のような明確な基準値がない。このため、最小面積の写真を基準にして、最も大きい写真との面積比率でジャンプ率を表す。

写真のジャンプ率の効果は文字の場合と少し異なる。ジャンプ率を上げれば元気になるとは限らず、写真の中に込められたメッセージ自体が決め手となるのだ。すなわち静かな印象の写真を大きくしても、元気にはならず、かえって静かさが強調される。写真のジャンプ率の効果はシャープさと歯切れのよさだ。比率が低いと穏やかな表情になる。

改作した新聞紙面

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格調はあるが堅苦しく読む気をなくす紙面になってしまった。見出しの文字や写真の大きさを本物の半分の大きさにしてみた(改作)

本物の紙面

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実際のジャンプ率は1200%で、いつもの活気あふれる紙面に戻った。日本の新聞が多くの人に受け入れやすいレイアウト様式を探し続け、現在のジャンプ率に至ったことがわかる

[朝日新聞]

ジャンプ率を低くすると、上品で格調高い印象になる。ジャンプ率を高めると、元気で楽しい印象になる。

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余白をたっぷりとると上品になる。広い空間の中に置いた文字は、小さくてもかなり目立つ

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上図で見たように、大きな文字は、陽気で元気なメッセージ。

観光旅行の広告にはぴったりのレイアウト様式だ

ミニコミ誌が元気になった

自治体や企業の広報紙は新聞と違って、文字のジャンプ率を抑えがちだ。このため破たんはないが、新聞らしい活気はなくなる。右ページの参考図はタイトル文字を4倍にして、思い切り文字のジャンプ率を高めてみた。

読ませたくない? 低いジャンプ率

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低い文字のジャンプ率では活気がなく、「読ませよう」という意志が伝わってこない

元気になった

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これで一般紙に近いジャンプ率になった。しかし、タイトルを大きくしたら、言葉そのものに活気がないことが目立ってきた。元気な大型文字にふさわしい、生き生きしたキャッチフレーズに変えたい

タイトルを大きくした上に、写真も大きくして図版率を引き上げると、元気な紙面になった。

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ジャンプ率を下げたら上品になった

写真中心の雑誌で、文字のジャンプ率を上下するとどう変化するのか比べてみる。自分がこれからレイアウトしようとする誌面をどんなページにしたいか考えて、ふさわしいジャンプ率を探そう。ジャンプ率を誤ると、目指すイメージにならないことを理解しよう。

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タイトルが大きく、右図に比べ活気がある (改作)

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タイトルを小さくすると、上品な誌面に。写真の数や位置、大きさ、タイトルの文章はまったく同じなのに、ジャンプ率を変えるだけで、こんなに表情が変わった [雑貨カタログ]

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次の図と比べると元気があり、少しさわがしい感じだ。右端のタイトルが大きく、ジャンプ率が高い効果 (改作)

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落ち着いた誌面に変わった。タイトルが小さくなり、ジャンプ率が低くなったため、静かな印象になった

ふさわしいジャンプ率で共感

落ち着いた誌面で定評のある雑誌「暮しの手帖」誌の文字ジャンプ率を上げてみた。ジャンプ率が変わるだけで、まったく違った印象に。ふさわしくない様式にすると、文章そのものは同じでも共感し合えない誌面に変わってしまう。

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タイトル文字を大きくしただけで、すっかりイメージが変わった。読者が共感するジャンプ率はどのあたりだろうか (改作)

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本物の誌面。落ち着いて少々レトロだが、何十年にわたって変わらない歴史の重さを感じさせる [暮しの手帖]

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タイトルを大きくすると元気になる。しかし、タイトルが大きすぎて誌面の内容との一体感がなくなる (改作)

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本物の誌面。ジャンプ率を低くすると、長めのタイトルであっても本文(ほんもん)と一体になって、落ち着いた気分で読み進められる

[クロワッサン]